ドローン山での許可は必要?国立公園や林道の基準

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ドローンの法律・飛行ルール

山でドローンを飛ばしたいけれど、どの許可が必要なのか分からないという相談を多く受けます。
航空法の許可が要るのか、国立公園の手続きはどうするのか、林道や山小屋の敷地での離着陸は誰に許可を取ればよいのか。
本記事では、登山や撮影で山域に入る前に押さえるべき法令と実務のポイントを、具体例とチェックリストで整理します。
制度の要点を絞り、現場で迷わない準備と申請のコツまでを解説します。
最新情報です。

目次

山でドローンを飛ばすときの許可の基本

山でのドローン運用は、空のルールと地上のルールの両方を満たす必要があります。
航空法に基づく飛行の許可や承認に加えて、離着陸地点の地権者や管理者からの許可が不可欠です。
さらに、公園や保護区のローカルルールが重なる場合があります。

航空法で許可が要るケース

以下は代表的な許可や承認が必要になる条件です。

  • 空港等の周辺空域や上空150m以上での飛行は許可が必要
  • 人口集中地区上空での飛行は許可が必要
  • 夜間飛行、目視外飛行、第三者との距離30m未満、イベント上空、物件投下、危険物輸送などは承認が必要

山域は人口集中地区外であることが多い一方、尾根やピークで容易に高度150mを超える軌道になりがちです。
また日の出前後の薄明時は夜間扱いに該当するため承認が必要です。

地権者や管理者の許可が要るケース

航空法の許可が不要でも、離着陸地点の許可は別途必要です。
私有地は所有者、国有林は所管部署、林道は道路管理者、公園は公園管理者が窓口です。
山小屋やスキー場の敷地、登山口駐車場も管理者の同意が原則です。

そのほかの関連法令とローカルルール

自然公園法、鳥獣保護管理法、文化財保護法、重要施設周辺の飛行禁止法などが該当し得ます。
季節や区域によっては営巣期の使用自粛や時間帯の制限が設定されます。
現地掲示や管理事務所の案内を必ず確認しましょう。

国立公園・国定公園・県立自然公園での運用

自然公園の内部では、区域区分や行為規制の内容によって、ドローンの離着陸や撮影に手続きが必要になることがあります。
特に特別保護地区や第一種特別地域では制限が厳格です。

どの区域で申請が必要になるか

自然公園法の区域は、普通地域、特別地域、特別保護地区に分かれます。
一般に、特別保護地区や第一種特別地域では、動植物の保護や静穏の維持のため、ドローン離着陸の許可や禁止が運用されています。
普通地域でも管理者の使用ルールに従う必要があります。

申請の流れと審査のポイント

公園管理者への申請では、目的、飛行日時、機体情報、離着陸地点、飛行ルート、第三者安全の確保方法、騒音配慮等を記載します。
営利か非営利か、撮影規模、繁忙期かどうかが審査に影響します。
時間帯や経路の調整で承認されやすくなることがあります。

動植物保護と季節規制への配慮

ライチョウや猛禽類の営巣期、シカの出産期などは、特定区域で飛行自粛の要請が出ます。
音圧の低い機体や離隔距離の確保、滞空時間の短縮などの配慮策を計画に盛り込みましょう。

公園内の駐車場や登山口での離着陸

駐車場や広場は安全に見えますが、来園者の往来が多く第三者上空の飛行に該当しやすい地点です。
立ち入り線引き、誘導員配置、立て看板での周知など、混雑時間帯を避けた運用が求められます。

区分 管轄 代表的な手続き 備考
国立公園 環境省等 区域により事前許可や届出 特別保護地区は厳格
国定公園 都道府県 管理者の許可や使用ルール 規制は公園ごとに異なる
県立自然公園 都道府県 条例や要綱に基づく申請 駐車場も管理対象

林道・国有林・私有林での離着陸許可

登山口にアクセスする林道や、撮影予定地が国有林か私有林かで、許可の取り方が変わります。
事前の管理者特定が鍵です。

林道は誰の管理かと通行規制

林道は都道府県、市町村、森林組合などが管理者となります。
通行止めや工事中の林道では立ち入り自体が制限され、離着陸も不可となるのが基本です。
通行可能でも駐停車位置や時間帯のルールを確認しましょう。

国有林の使用許可の考え方

国有林では所管部署への使用申請が必要となる場合があります。
少人数の短時間撮影でも、営利目的や立木保全に影響する場合は許可対象です。
林業作業や保安林指定がある場所は特に注意します。

私有地と山小屋・スキー場のルール

私有林や山小屋の敷地は、所有者の同意がなければ離着陸できません。
スキー場は営業中の第三者リスクが高く、飛行禁止や事前協議必須の運用が一般的です。
同意は書面かメールで証跡を残しましょう。

ダム・送電設備など重要施設の周辺

自衛隊施設、原子力施設、一部の重要インフラ等の周辺は、飛行が禁止または厳しく制限されています。
山域の送電線やヘリポート周辺も安全距離の確保が必要です。
出発前に該当の指定区域を確認して計画に反映します。

山域での航空法の具体例と申請の書き方

山ならではの地形と風の影響を踏まえ、申請書の安全対策を具体化することが承認の近道です。
実務に沿って要点を整理します。

DID外でも許可が必要になる典型例

人口集中地区外でも、次のような場合は許可や承認が必要です。

  • 稜線沿いの撮影で上空150mを超える高度プロファイルになる
  • 渓谷で見通しが断続し目視外区間が生じる
  • 早朝や夕暮れの撮影で夜間にかかる
  • 登山道の頭上を横切り第三者との距離が30m未満になる

計画段階で該当しそうなら、余裕をもって申請します。

150m高度の数え方と尾根越えの注意

150mは地表または水面からの高さで判断します。
谷底から離陸して尾根を越えると、離陸点基準ではなく各地点の地表基準で上昇量が増え、無意識に150m超となる恐れがあります。
経路の断面図を作り、最大高度にマージンを取るのが安全です。

目視外と夜間の承認条件

目視外や夜間の承認では、体制と機体の安全機能が重視されます。
RTH設定、フェールセーフ高度、デュアル電源、プロペラガード、補助灯、監視員配置、通信ロスト時手順などを具体的に記述します。
第三者進入を検知する方法も併記しましょう。

DIPSでの申請テンプレートと添付資料

申請はオンラインで行えます。
機体登録、操縦者情報、飛行経路図、離着陸地点の同意書、保険加入証明、リスク低減策の図解を添付します。
反復飛行の包括申請を活用すると、一定条件内の複数日運用が効率化します。

飛行日誌と飛行計画の作り方

風速、気温、離発着時刻、電池サイクル、機体点検項目、異常の有無を日誌化します。
飛行計画は第三者侵入時の中止基準、代替地、回収動線まで記載し、現場配布用の簡易版も用意します。

地図とアプリで行う事前調査の手順

机上での地図調査が現地の判断を助け、不要なリスクを避けます。
複数の情報を重ねて確認しましょう。

DIDや空港周辺空域の確認

人口集中地区の境界、空港・飛行場・滑空場の周辺空域、進入経路を地図で確認します。
自動車専用道の橋梁上空も第三者リスクが高く、通行状況に配慮が必要です。

進入表面やヘリポートの位置把握

病院や山小屋に併設されたヘリポートの位置は見落としがちです。
救助ヘリの運用時間帯を避け、無人機の高度を抑え、管制のないエリアでも周囲の監視を徹底します。

立入禁止エリアや保護区の重ね合わせ

自然保護区、鳥獣保護区、文化財指定地の境界を確認して、離着陸地点を外に置くなど迂回策を検討します。
地図は紙と電子の二系統を持ち、オフラインでも参照できるように準備します。

オフライン運用と現地変更への対応

山域は通信が不安定です。
飛行計画と連絡方法を事前に共有し、天候変化や登山者増加に応じて撤収判断を即時に取れる代替案を用意します。

電波法とFPV運用のルール

コントローラーや映像伝送は電波法に適合している必要があります。
仕様の把握がトラブル回避につながります。

技適とコントローラーの基本

送信機・受信機は技術基準適合証明のある機器を使用します。
改造や海外仕様のままの使用は違法となる可能性があります。
機体のファームウェア設定も国内規格に一致させます。

映像伝送とゴーグルの法的位置づけ

映像伝送の周波数や出力は国内基準に適合が必要です。
FPVゴーグルの使用は、原則として補助者による目視監視が必須で、目視内の範囲で安全を確保します。
無人機の姿を常時見失わない運用体制を記載しましょう。

アマチュア無線が必要になる場合

一部の映像伝送機はアマチュア無線の免許や無線局の手続きが必要となる場合があります。
免許を要する運用を避けるか、必要な資格と申請を整えてから飛行します。

監視員体制と見通し確保

山では樹木や地形による遮蔽で電波のマージンが減ります。
補助者を配置し、遮蔽が起きる前にコース変更や高度調整を行う手順を決めておきます。

安全運航と山でのマナー

法令遵守に加え、登山者への配慮と自然環境の尊重が信頼を生みます。
現場対応の質が次回の許可にも影響します。

登山者や野生生物への配慮

人の声が届く距離での離着陸や頭上通過は避けます。
見物人が集まると第三者リスクが高まるため、誘導員やコーンで安全域を設定します。
野生生物を追う飛行は禁止し、遭遇時は即時着陸または退避します。

風・乱流・気温のリスク評価

稜線のローターや渓谷のカレントで急激な下降流が発生します。
風速の目安を現場の植生や雪煙で読み、突風余裕を確保した推力比で運用します。
低温時はバッテリーの内部抵抗増大に備え予熱と短時間運用を徹底します。

緊急時のフェールセーフと回収手順

通信ロスト時はRTH高度と経路に崖や送電線がないか事前に照査します。
水没や樹上絡み付きの回収は無理をせず、二次災害を避ける判断が最優先です。
第三者への被害が想定される場合は直ちに通報と現場保全を行います。

保険と賠償リスクの備え

対人対物の賠償責任保険は加入が推奨されます。
管理者に保険加入の有無を示すと許可がスムーズになることがあります。
証明書は紙とデータの二重で携行します。

よくある質問とチェックリスト

現場で頻出する疑問と、出発前に確認すべき事項をまとめます。
迷ったら一度立ち止まり、リスクの低い選択を取ることが安全への近道です。

よくある誤解への回答

山であればどこでも自由に飛ばせるのでは、という誤解があります。
実際は離着陸地点の許可が必須で、航空法の許可や承認が重なる場合も少なくありません。
人が少ない時間帯なら安全という考えも、救助ヘリの運航や野生動物への影響を見落としがちです。

出発前の許可チェックリスト

チェックリスト

  • 機体登録とリモートIDの有効化を確認
  • 航空法の許可・承認の要否と申請状況を確認
  • 離着陸地点の地権者・管理者の同意を取得
  • 自然公園や保護区の区域とルールを確認
  • 重要施設やヘリポートの位置を確認
  • 保険証券と安全管理計画書を携行
  • 天候、風、気温の予測と代替案を準備
  • 監視員と連絡手段、退避経路を共有

現場での声かけと掲示のコツ

撮影目的と安全域を簡潔に説明し、通行への配慮を明確に伝えます。
簡易の掲示物を用意し、離着陸時は声かけを徹底します。
苦情や依頼には礼節をもって対応し、計画の微修正で共存を図ります。

まとめ

山でのドローン運用は、空の許可と地上の許可の両輪で成り立ちます。
自然公園や林道、国有林、私有地それぞれに管理者が存在し、区域ごとにルールが異なります。
航空法では150m、夜間、目視外、第三者距離などの条件で許可や承認が必要となり、地形によって想定外の該当が生じやすいのが山域の特徴です。

事前の地図調査と申請、現場での安全域の確保、登山者と自然への配慮が、良好な関係と安全を生みます。
本稿のチェックリストを活用し、無理をしない計画と丁寧なコミュニケーションで、質の高い山岳空撮を実現してください。
最新情報です。

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